グランドピアノ1台と彼の体だけで全26曲をレコーディング。この時代だからこそ生身の人間の可能性を追求してただひたすらに音楽を奏でる。シンプルながらも奥の深い、H ZETT Mの本質が浮かび上がってくるファン待望のピアノ・アルバムとなったにも関わらず自己陶酔に陥らず、全てをエンターテインメントに昇華出来る所がH ZETT MがH ZETT Mたる所以であろう。今作は、過去の作品にあった攻撃性は影を潜め、緊張感のあるクラシカルな楽曲がアルバムの大半を占めている。【DISC1】はメロディーメーカーとしての才能をいかんなく発揮したキャッチ―な「新しいチカラ」から始まり、中盤は淡々と過ぎる。それはまさに9曲目のタイトルとなっている「生きていく」その物で、1日を切り取って音楽にしたかのようだ。「日常にあるクラシック」目を閉じて楽曲とその背景にあるストーリーや、自分達の日常とを照らし合わせながら音楽に触れると云う、皆が忘れかけている音楽の楽しみ方や接し方をこのアルバムで”H ZETT M”は提唱している。【DISC2】は超絶技巧ナンバーで幕を開けるが、M6「旅立ちの日」M10「君の笑顔」M11「花」など、名曲として語り継がれるであろうミドルテンポのナンバーがこのアルバムの特徴を大きく印象づける。ちなみに【DISC1】M12「極」、【DISC2】M12「come here」はいずれも彼の大親友である(らしい)ヒイズミマサユ機の所属するPE’Zの楽曲のカバーである。ジャズバンドであるPE’Zのアレンジ以上にジャジーに聴かせるあたり彼(H ZETT M)の彼(ヒイズミマサユ機)に対するライバル心も相当な物であると伺える。
<DISC1>
01.新しいチカラ (NEW ENERGY)
02.それは逆立つ毛 (IT’S BRISTLING)
03.それは深い霧の中 (IT’S FOGGY)
04.それは空中さんぽ (IT’S LIKE WALKIN’ IN THE SKY)
05.ところでみなさんごきげんいかが? (BY THE WAY , HOW ARE YOU ALL ?)
06.未完成の現代を (IN INCOMPLETE MODERNISM)
07.浮遊しながら (LEVITATING)
08.つなぎとめて (WILL KEEP)
09.生きていく (LIVING)
10.知っている風でいうと (PROBABLY I SAY )
11.すりぬける (PASS THROUGH)
12.極 (EXTREME IS)
13.中々のスペクタクル (QUITE A SPECTACLE)
<DISC2>
01.そんな事を言っている間に目に映る真逆 (WHILE I’M GRIPING, I SEE EVERYTHING CONTRARY)
02.葛藤の日々 (DAYS OF CONFLICT)
03.ある朝 (ONE MORNING)
04.時が止まり (TIME STOPED)
05.子供の時に見た夢のような (LIKE A DREAM OF A CHILD)
06.旅立ちの日 (ON A DEPARTING DAY)
07.空飛ぶ放射能 (RADIATION SPREAD)
08.それでも世界は続く (BUT STILL THE WORLD GOES ON)
09.空白をうめる (FILLED WITH)
10.君の笑顔 (YOUR SMILE)
11.花 (FLOWER)
12.come here (COME HERE)
13.はじまる (IN THE BEGINNING)
APPR-3003/4
¥2,857(tax out)